ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)


ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)


ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)


発売当初から気になっていましたが、ついに読みました。
余談ですが、大学の時の研究室の先生がなけなしのおこずかいをはたいてまで買って読んだようです。


読んだ感想はおもしろかったです。なけなしのおこずかいをはたいて買った先生の気持ちも理解できます(笑)。
普通にロバート・ラングドンとソフィー・ヌヴーが警察の捜査を掻い潜り、ソニエールの残したメッセージを手がかりに真実に迫るのでも十分おもしろいです。実写化の素材としても面白いと思いました(映画は未見)。


ストーリとしては、黒幕が意外な人物でびっくりしました。オプス・デイの人は最初好きではなかったですが、いいように利用されてかわいそうでした。アリンガローサがシラスを以下のように諭すところはよかったです。

赦しの心は、神がお恵みくださった最高のものだ。

意外にかっこよかったのはコレ警部補です。ファーシュを弁護するところが特に。


しかし何といってもティービングと出会って、聖杯伝説の真実に迫るくだりが非常に面白かったです。いろんな薀蓄がでてきます。以下、特に面白かったネタです。

  • キリスト教を公認したコンスタンティヌス帝が異教徒の大神官であったこと。公認するにあたり、異教の象徴や暦や儀式を、キリスト教の発展途上の伝統と融合させ、双方が受け入れやすい、いわば混血の宗教にしたこと(例えば日曜の朝に礼拝しているのは異教の太陽神を祝福する曜日に由来している)。
  • ニケーア公会議は宗教の融合を進める中で、キリスト教の新たな伝統を確立する必要に迫られて開催されたもの。その会議で、それまで人間の預言者であったキリストが神になった。その結果、イエスの人間らしい側面を描いた福音書が削除された。
  • グラナダのマリアは本来イエスの妻だったが、娼婦だと扱われるようになった。

一番びっくりしたのは、メロヴィング王家はグラダラのマリアとイエス・キリストの直系の子孫であることはびっくりです。中世の世界史は退屈でしたが、こういうことで役立って勉強してよかったと思いました。


以下は、本筋とは直接関係ないですが、気にいったフレーズです。

  • 歴史書について

歴史はつねに勝者によって記されるということだ。ふたつの文化が衝突して、一方が敗れ去ると、勝った側は歴史書を書き残す。みずからの大義を強調し、征服した相手を貶める内容のものを。ナポレオンはこういっている。"歴史とは、合意の上に成り立つ作り話にほかならない"と。

  • 人間のふるまいについて

人が無謀なふるまいに及ぶのは、欲するものを得ようとする場合よりも、恐れるものを取り除こうとする場合のほうがはるかに多い。

  • 信仰に対する態度

世界中のすべての信仰は虚構に基づいてるんだよ。信仰ということばの定義は、真実だと想像しつつも立証できない物事を受け入れることだ。古代エジプトから現代の日曜学校に至るどんな宗教も、象徴や誇張によって神を描いている。象徴は、表に表しにくい概念を表現するひとつの方法だ。それを丸呑みにしないかぎり、さほど問題は生じない。

フリーメイソンの基本位階−徒弟、職人、親方−は、初期のテンプル騎士団に端を発するという。