NAKBA

フォト・ジャーナリストの広河隆一氏が撮影したパレスチナ難民に関するドキュメンタリ映画。1990年代以降のオスロ合意やインディファータのくだりは補足程度の扱いで、パレスチナ難民の現状や住人たちの意見がメインに描かれています。
監督、撮影の広河隆一氏については雑誌Days Japanの編集長であることは知ってはいましたが、映画を作っていたことはつい最近はじめて知りました。
土曜の昼に見たのですが、ドキュメンタリ映画で人はあんまりいないのかなと思っていたら予想以上に人がいてびっくりしました。ミニシアタですが、半分ぐらいは埋まってでしょうか?


それにしてもイスラエルがパレスチナ住民の村を略奪するくだりは本当にひどいと思います。イェルサレムへ続く主要道路沿いにある町や村を自分たちのものにすうのはあまりにも一歩的でひどいです。しかも住人は未だに村に住むことは許されず、一時滞在しか許されていないそうです。
村を略奪する時には銃撃戦になることや、ひどいときは穴に行き埋めるような虐殺行為もあったみたいで…。ここらへんの話は証言ベースです。
イスラエルの入植地のいくつかはそういう歴史の上で成り立っているのです。ロシアや東欧からホロコーストなどの差別から避けてやってきた入植者たちはそういう背景を知らずに住んでくるわけですが、彼らにしてもせっかく得た安息の(だと信じた)土地をパレスチナ人に脅かされるのだからたまったもんはないでしょう。そういう意味では入植者たちもイスラエル国家にいいように使われてる被害者とも思えるのです。
タクシーの運ちゃんが言っていた「この状況はよくはない。けど、どうしようもない。」という言葉が一番印象に残りました。