いま ここにある風景

工場や鉱山など、人類が生み出した産業の風景をとらえ続けるカナダ人写真家エドワード・バーティンスキーを追ったドキュメンタリ作品です。
人間の産業の発展のために犠牲となった自然の姿は痛々しかったです。原型がわからないぐらいえぐりとられた鉱山や中国の石炭採炭所などの写真は見る価値があります。
タンカの解体シーンも凄い迫力でしたが、海運、物資運搬、言うなればグローバリゼーションの担い手であった巨大なタンカが造作なく破壊される様は虚しさを感じました。
一番衝撃的だったのは中国の三峡ダムでした。元住民が金に雇われて(ダム完成後に水底に沈む)自分たちの町の建物を破壊するのには言葉がでませんでした。破壊された町はまるで戦場のようでした。
わたしたちの便利な生活はこのような自然や他人の生活の犠牲の上に成り立っていることを考え直させるきっかけになると思います。