座右のニーチェ

座右のニーチェ (光文社新書)

座右のニーチェ (光文社新書)


ニーチェの言葉を引用した自己啓発的な内容です。ニーチェの思想を学びたい人にはおすすめしませんが、著者のテンションに圧倒されて明日もがんばらなきゃという気持ちにさせてくれる類の本です。とはいえ著者の知識量が豊富で、引用、実例が豊富なので思わず納得してしまいます。


著者が引用したニーチェの考え方でなるほどと思いながらも実践するのは難しいなと思ったのは以下の2つです。
1つ目はルサンチマン(怨恨感情)を忌み嫌い、エネルギー源にすべきではないと言っていることです。新しい価値観、道徳観を持つ人間に対して、従来の価値観やルサンチマンに従って叩きつぶそうとする社会を否定し、むしろ評価する社会にならないということを再繰り返していました。


2つ目は永劫回帰の思想です。これは『永遠に繰り返す』生の恐ろしさに気づいたツァラトゥストラが、『そうだとしてもそれに耐えられる自分になれ、後悔せずに生きよ。来世や未来の救いなど求めず、繰り返しを恐れないで現在の一瞬に生命の炎を燃やして生きよ。』と説いたものです。