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村上春樹とエルサレム賞

作家の村上春樹さんのエルサレム賞受賞のメッセージがかっこ良いなと思いました。
受賞をボイコットするのが一番簡単な道だったと思うのですが、エルサレムに乗り込んでイスラエル政府を批判する内容のスピーチをしたこと(イスラエル政府をピンポイントに批判した訳ではありませんが)はかなり度胸がいることだと思いますし、一人の人間としてほんとにカッコいいと思います。

素晴らしいスピーチなので一部引用しました。日本語訳はこちらから引用させていただきました。

"Between a high, solid wall and an egg that breaks against it, I will always stand on the side of the egg."
「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵側に立つ」ということです。


If there were a novelist who, for whatever reason, wrote works standing with the wall, of what value would such works be?
しかし、もしどのような理由であれ、壁側に立って作品を書く小説家がいたら、その作品にいかなる価値を見い出せるのでしょうか?


I have only one thing I hope to convey to you today. We are all human beings, individuals transcending nationality and race and religion, fragile eggs faced with a solid wall called The System. To all appearances, we have no hope of winning. The wall is too high, too strong - and too cold. If we have any hope of victory at all, it will have to come from our believing in the utter uniqueness and irreplaceability of our own and others' souls and from the warmth we gain by joining souls together.
今日、皆さんにお話ししたいことは一つだけです。私たちは、国籍、人種を超越した人間であり、個々の存在なのです。「システム」と言われる堅固な壁に直面している壊れやすい卵なのです。どこからみても、勝ち目はみえてきません。壁はあまりに高く、強固で、冷たい存在です。もし、私たちに勝利への希望がみえることがあるとしたら、私たち自身や他者の独自性やかけがえのなさを、さらに魂を互いに交わらせることで得ることのできる温かみを強く信じることから生じるものでなければならないでしょう。


Take a moment to think about this. Each of us possesses a tangible, living soul. The System has no such thing. We must not allow The System to exploit us. We must not allow The System to take on a life of its own. The System did not make us: We made The System.
このことを考えてみてください。私たちは皆、実際の、生きた精神を持っているのです。「システム」はそういったものではありません。「システム」がわれわれを食い物にすることを許してはいけません。「システム」に自己増殖を許してはなりません。「システム」が私たちをつくったのではなく、私たちが「システム」をつくったのです。