天使と悪魔

天使と悪魔 (上) (角川文庫)

天使と悪魔 (上) (角川文庫)


天使と悪魔 (中) (角川文庫)

天使と悪魔 (中) (角川文庫)


天使と悪魔 (下) (角川文庫)

天使と悪魔 (下) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード』のダン・ブラウン氏のミステリ小説。内容については割愛しますが、映画を見る前の予習として読みましたが、面白かったです。
序盤のCERN所長とのやり取りは少しテンポが悪いなと感じましたが、舞台がヴァチカンに移ってからの枢機卿の暗殺や爆発阻止のための暗号解読のくだりはテンポが非常に良かったです。枢機卿追跡の過程でヴァチカンの名所がたくさん出てきますのでヴァチカンの観光のお供にもいいかもしれません。
それから謎解き一辺倒ではなく、主人公のラングドン博士がハードボイルド映画ばりのアクションを魅せますのでエンターテインメントとしてもかなり楽しめると思います。アクションシーンが多いこともあり『ダ・ヴィンチ・コード』よりも読者層のストライクゾーンは広く、映像化もしやすいのではないかと思いました。一番の見所は最後のドンデン返しで、予想もしていない展開にびっくりしました。
ただ謎解きに関しては(どちらかといえば)『ダ・ヴィンチ・コード』の方が楽しめました。ただ、本作のイルミナティに関する謎解きも十分面白かったです。ただ解説によるとイルミナティの説明のすべてが正しいわけでもないみたいですが、エンターテインメントとして楽しむ分には真偽よりもいかに素材を活かすのかが重要かなと感じました。
それから本作にはCERNなど理系の知識が登場しますが、CERNに大型の加速器があることや反物質の存在については知っていましたが、反物質の対消滅によるエネルギーの大きさについては知りませんでした。最新の技術がどこまで進んでいるかわかりませんが、反物質を抽出し、保存することは今でもかなり難しいのではないかと思いますけど、どうなんでしょうね。