少年Hと情報規制について

『少年H』とは筆者の少年時代の戦争体験が綴られた小説です。戦争小説としてはトーンが明るめで読みやすいですが、いつくか戦後知り得た事実をもとに記載されている箇所はあるように感じました。例えば、ソ連侵攻について知っていたり、原爆の被害が報道よりも甚大であることに感ずくのは違和感がありました。某書店のレビューでもその点について酷評されています。

自伝という体裁をとっているのにも関わらず事実に反することを書いてよい、とは思いませんが、かといって戦時中の大本営や新聞社の情報操作、隠蔽はいいとは思えません。事実を知らされずに、虚偽の情報を信じて戦わされた兵隊や市民の方々に対してかけるべき言葉が見つかりません。

今はインターネットが普及して、海外からのニュースも簡単に入手できるようになったので、戦中のような情報操作はできないと思います。情報インフラを遮断すれば可能かもしれませんが、、世界中から非難されるので現実的には難しいのではと少し楽観的に考えています。


ただ最近の原発危機のように海外の方がヒステリックな報道をされたり、政府をパニックを招かないように規制する場合もあるので、何でもかんでも公開すればいいものではないとは思います。
今回の原発危機のように危機に直面している場面で情報制限、規制している場合は、政府が全国民の生命を大事にするという方針のもとで、ベストな方法をとってもらうことを願うばかりです。