人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)
- 作者:森 博嗣
- 発売日: 2013/03/15
- メディア: 新書
作家の森博嗣さんが抽象的な考え方について説いた本です。中身をよく見ずに、題名と著者だけで買ってしまいました。
普段具体的に物事を見ることが多いですので、抽象的な視点、というのは目から鱗でした。
いくつか気に入った箇所を引用します。
筆者が理想とするところ
できるだけ理想を目指す、ということが客観的で抽象的な思考の目的であるし、僕の理想でもある。
できるだけ多くの人が、もう少し本当の意味で考えて、自分の見方を持ち、それぞれが違った意見を述べ合うこと、そしてその中和をはかるために話し合うことが、今最も大事だと思うし、誤った方向へ社会が地滑りしないよう、つまり結果的に豊かで平和な社会へ導く唯一の道ではないか、と僕は考えている。
現実に見えている情報について
現実に見えるものの多くは、誰かによって見せられているものであって、その人にとって都合の良いように加工されているため、そのまま受けとってしまうと、結果として自分の考えに合わない方へ流され、渦の中へ吸い込まれていくことになる。別の言葉でいえば、知らず知らず、他者に「支配」されてしまうのである。