東北を聴く

東北を聴く――民謡の原点を訪ねて (岩波新書)

東北を聴く――民謡の原点を訪ねて (岩波新書)

詩人が津軽三味線の二代目高橋竹山と東北の被災地をめぐったときの記録です。
特に岩手の被災者の言葉がとても重くて、当時の様が色褪せることなく蘇ってきました。自分が生き延びるために、瓦礫に埋もれてしまった人(しかも自分では救出できない)を見捨てざるをえないようなエピソードには、辛くなりました。

また道中で民謡を育んできた人たちとの出会いも描かれていますので、南部・宮城・福島の民謡(特に牛方節(南部牛追唄)、新相馬節、会津磐梯山、斎太郎節)に興味がある人なら、ためになると思います。
それから初代高橋竹山のエピソードもありますので、津軽三味線好きにもオススメです。