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ハンナ・アーレント

ユダヤ人の政治哲学者の生涯について書かれた本です。哲学関係の本で名前を何度か聞いたことがありましたが、実際に何をした人か知りませんでしたので、読んでみました。
基本的にアカデミズムの世界で生きずに、戦時中は政治活動に身を投じることもあったようです。戦時中の経験はやはり強烈でしたが、収容所管理者との接触を拒むことで、絶滅収容所行きを防いだことは凄いと思いました。戦時中のファシズムを経験したことで、政治に対する思考、抵抗を辞めることで無意識的に組み込まれてしまう危険性を強く感じた人だと思いました。全体主義は極端な例ですが、そういう人間の危うさはいつの時代も警戒したほうがいいのかなと感じました。実際に以下のように述べています。

「世界は沈黙し続けたのではなく、何もしなかった」

アイヒマン論争においても単純にナチスの卑劣さを断罪するのではなく、被害者側にも関わらず、悪の汎用さ(公務員の事務作業のように執り行った点など)を指摘することは、なかなかできないと思います。それにより、多くの友人を失ったようですが、それでも現実から目を逸らさずに事実を語ることを発信するのは大変だと感じました。