沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ!日本の医療>

日本やアメリカの医療費が高騰して、医療サービスが悪化している背景が理解できました。大金持ち以外の人は読むべきだと思います。
本書で書かれている事実の一部を引用します。とにかく現状やこれから何が起ころうとしているのか理解するのが大事だと思います。

  • OECDのデータによると日本の一人当たりの医師数、医療費は世界各国に比べると低い。
  • 新薬承認のスピードが速いと言われるアメリカでは、副作用で大量の死者を出した薬が9品目もある。
  • 薬価交渉権のないアメリカでは医薬品の高騰が激しい。しかも大手製薬会社は新薬研究開発費よりもはるかに多くの費用をマーケティングにかけている。

それからオバマケアについて今まで無知でしたが、民間の医療保険に強制的に加入させるものだったとは知りませんでした。保険会社やその株主にとって利益が最大化するような制度になりますね。。そして、その法案を成立させるために数千ページもの分量にしたというのもエゲツないです。マニュアルでも何でも当てはまると思いますが、ただ分量が多いだけの文章を書くのは頭の悪い仕事だと思います。

ただアメリカではこの動きに反対する動きが一部で見られており、この動きが拡大して欲しいです。最後に亡き歴史学者のハワード・ジン教授の言葉を引用します。
長い歴史の中、アメリカ社会に大きな変化を起こしてきたのは、政府でも権力者でもなく民衆でした。ごく普通の人たちのささやかな行動が、水に投げた小石が輪を広げるように、少しずつ国全体に広がって、ある日社会を大きく変えたのです…