シン・ゴジラ

公開前は観るつもりがありませんでしたが、ネットでの口コミがとても良く、気になってしまいましたから観に行きました。

邦画を映画館で見なくなって久しいですが、この作品は本当に面白かったです。以前のシリーズを見たことはないので、過去の作品と比較できませんが、エンターテイメントとしてよく考えられており、面白い作品だと思います。

 

 

ちょうど2時間の作品でしたが、中だるみすることなく楽しむことができました。怪獣の恐怖を描くだけでなく、日本の省庁、政治家たちの官僚主義的な対応や危機管理の甘さなどが描かれていて面白かったです。ゴジラが常に暴れているわけでなく、ポイントポイントで暴れているだけで、彼の休憩時に人間がどう対応するかを描いているように見えました。

ゴジラの暴れっぷりもすごくて、最初の形態は完全体ではなかったものの、おどろおどろしさを感じさせる形態で不気味でした。それが進化するにつれて、絶望が増幅されていく感じですごかったです。そのあたりのこだわりは、庵野監督だからこそだと思いました。東京や神奈川の街並みを暴れるのですが、(全部ではなくても)見たことが景色が無茶苦茶にされる様は、CGを使っているとはいえ、なんかリアルに感じるところもありました。最初から放射能ビームを放っていたら、ただのギャクだと感じたでしょうが、徐々に強力になり、最終形態において敵(人間)から攻撃を受けて初めてビームを放ったからこそ、単純な虚構に見えなかったような気がします。新ヱヴァQとセットで上映された巨神兵映画が、まるでこの映画のプロトタイプだと感じるくらい、ゴジラが暴れるシーンは予想以上で作れていたと思います。首都をめちゃめちゃにするシーンは監督も楽しんでおられたと思います。

ストーリは途中までどうなることかと思いましたが、日本に核ミサイルが撃たれる状況になってからは、省庁たちの連携が取れて、最後の作戦は暑かったです。エヴァヤシマ作戦になぞらえる方もいらっしゃいました、本当にそのテンションに近く、燃えました。終盤の展開は一種のファンタジーにも見えましたが、監督の希望が込められているようにも感じました。

 

それに、キャストさんの演技とチョイスもよかったと思います。主役級や巨対災のメンバーはもちろん、片桐はいりさんのような端役も大体ハマリ役だと感じました。邦画にありがちなアイドルのゴリ押しが少なかったと思います(ゴリ押し邦画が多すぎるので、普段邦画を見ないほどです)。

 

キャストで言えば、石原さとみさんの英語も話題になっていますが、彼女の発音はむしろいい(がんばっている)と思いました。ただ日本語の文脈でいきなりネイティヴの英単語が入ったり、日本語の会話から唐突に英文になったりするのが、奇怪な印象を受けました。むしろ可笑しく感じました。彼女の演技ではなく、むしろ監督の意図的な演出だと思いました。

 

カット割りなんかはアニメ出身の方特有の感じに見えましたが、それを実写で見るのが新鮮に感じるほどでした。それからBGMも良かったです。特にここぞというシーンで、ゴジラのメインテーマ音楽やエヴァの音楽が使われていましたが、これらの音楽がシーンをさらに盛り上げているように感じました。

あとシーン説明の字幕がエヴァ風の明朝体だったのも、庵野さんらしいなと思いました。この作品は庵野さんが総監督だからこそ作れた作品だと思います。特撮に対する造脂が深いのは当然ですが、それ以上のこだわりが唯一無二の世界観を作り出したのだと思ってます。

 

他の方もすでに述べていることの焼き直しな側面が強く、ベタ誉めな記事になってしまいましたが、大人だと楽しめる方が多いと思います。ただ単純に怪獣が暴れたりするわけではないため、子供向けかどうかはわかりません。