文学部って何の役に立つの?

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170723-00000001-withnews-sci

今日のヤフーニュースに共感する記事がありました。
大阪大学の文学部長が卒業セレモニーの式辞で、文学部の意義に語ったものだそうです。

今のこのおめでたい席ではふさわしくない話題かもしれませんが、人生には様々な苦難が必ずやってきます

その時、文学部で学んだ事柄が、その問題に考える手がかりをきっと与えてくれます。しかも簡単な答えは与えてくれません。ただ、これらの問題を考えている間は、その問題を対象化し、客観的に捉えることができる。それは、その問題から自由でいられる、ということでもあるのです。これは、人間に与えられた究極の自由である、という言い方もできるでしょう

人間が人間として自由であるためには、直面した問題について考え抜くしかない。その考える手がかりを与えてくれるのが、文学部で学ぶさまざまな学問であったというわけです


私も物理を専攻していて、いわゆる世の中の生活向上に直結しない学問を専攻していたため、学部長の悩みは理解できます。

生活に直結することだけが学問ではないですし、自分が知らない世界を知ったり、その中で自分を見つめ直すことが、とても意義のあることですし、それが許されるのが学生の期間の権利だと思います。


10年くらい前から国立大学も工学部や法学部などわかりやすい分野にお金が注がれるようになり、基礎学問がないがしろにされている感じがして、不安に思っています。お金がないと学生も集まらなくなるでしょうし。

余談ですが、ここ数年はノーベル賞受賞が続いていますが、この傾向に歯止めがかからないと、中国みたいに基礎学問がガタガタになるような気がしています。