司馬遼太郎さん原作の映画ですが、先週末誘われて見てきました。
邦画の実写も久しく見ていませんでしたが、歴史物は初めてだったと思います。客層としてはハリウッドものと違いシニア層が多かったです。
石田三成を中心で関ヶ原の戦いに至る駆け引きや合戦の様子を描いた作品です。
冷静に考えて、一番印象に残ったのは、石田三成と島左近、有村架純演じる忍者との絆で、この監督が一番描きたかったのかなと感じました。
正直日本史については中学の知識で止まっていますので、史実に沿っているかわかりませんが、そもそも2時間半に詰め込むのは無理だと思うので仕方がないと思います。なんとなく否定的な意見が多そうな気がしました。
島左近は何を成し遂げた人かはよく知りませんが、平岳大さんの演技がかっこよく、石田三成の右腕として有能な人物だなと感じました。
石田三成を主人公にしているとはいえ、典型的な官僚タイプの人間で、人心掌握に乏しい人間だなと随所に感じました。しかも正義心が強く、融通が利かないので、石田三成のようなタイプの人間がトップになったことが不幸だなと感じました。
黒田清正や福島正則などの武断派を取り込んだ徳川家康との対比から、なおさらそういう印象を持ちました。小早川秀秋にしてもそうですが、戦前の交渉で勝負が決している感じでした。この映画で言えば、家康役の役所広司さんが画面にいるだけで、全てを持っていく感じでしたが。
合戦のシーンは迫力はあるのですが、旗などの知識がないと誰が誰だかわからない状態で、戦局がわかりませんでした。また戦国合戦の戦略の要だと思っている陣形の図もよくわからなかったので、西軍が有利という点もわかりにくかったです。
一番の肝となる小早川秀秋の裏切りのきっかけもなし崩し的な印象だったのも少し残念でした。
不満をいろいろ書いてしまいましたが、原作が有名だからこその期待値の高さで勘弁して頂けたらと思います。原作物しかも史実ものの実写だと、本当に難しいと思うので、スタッフの皆様にはお疲れさま、と言いたいです。
駆け引きとかいろいろ考えさせられましたので、たまにはこういう骨太な時代物もいいかもと思いました。