クロフネ

今日クロフネが老衰で亡くなったとの訃報を聞きました。
まず現役時代はワクワクさせるレースを見せてくれて、引退後も多くの産駒を出してくれた本馬のご冥福をお祈りいたします。

現役時代はたった2年間でしたが、とても中身が濃かったです。2歳〜クラシックまではマル外初のダービー制覇を目指していたものの同期にアグネスタキオンジャングルポケットと対戦したラジオたんぱ杯3歳Sも印象深いです。アグネスタキオンの強さが光ったものの、3頭が唯一対戦したレースですから。

クラシックシーズンのG1勝ちはNHKマイルCだけでしたが、3歳秋シーズンがドラマチックでした。当初目標していた天皇賞・秋に出走できず(出走権を勝ち取ったアグネスデジタルテイエムオペラオーを差し切ってしまいました)、代わりに出走したダートの武蔵野Sの勝ちっぷりが規格外でした。そろっとしたスタートながらも向正面でどんどん進出して、4角過ぎで先頭に立ち、突き放すというレースぶりにたまげました。
そして続くジャパンカップダードでも相手が強化されながらも(当時のダードグレードの常連やUSのリドパレスなど)同様のレースぶりで7馬身差の大差をつけて勝ちました。レースぶりも規格外で、3角で先頭に立つという無茶苦茶な勝ち方でした。このレースはクロフネが先頭に立つあたりから、みんなラストスパートして、とんでもない消耗戦で今見ても面白いです。
今もですが、海外で通用するダート馬はいなかったため、クロフネがダートのドバイワールドカップBCクラシックを走る姿を本当に見たかったです。しかしながら屈腱炎で引退となり、本当に残念でした。
ダートG1は1勝だけでしたが、ダートで彼以上のパフォーマンスを見せた馬はいまだにいないと思います。

種牡馬になってからは、牡馬産駒にはそれほど恵まれたとは言い難いですが、アップトゥデイトテイエムジンソクなど味のある馬が多い印象です。アエロリットやカレンチャンなど牝馬の方が走る印象でした。
また母父としても優秀で、クロノジェネシスやノームコアなどがいますので、血統が繋がって欲しいなと思います。