- 作者: ゲーテ,Johann Wolfgang von Goethe,高橋健二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1952/06
- メディア: 文庫
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著書は読んだことはなかったですが、手軽に読めるということもあって買いました。
約200年も前に生きた人の言葉ですが、古びることなく今読んでもなるほどと思う言葉がたくさんありました。
その中でも特に印象に残ったものを列挙します。
- 『全く人間という奴はこうしたもんです!隣の人が不幸に襲われれば、大口あいて喜んでいる。恐ろしい火の手があがると、それっと皆駆け出す。今日も今日とて、罪もない避難民の気の毒な様を見に、みな遊山みたいに出かけるのです。同じ運命が、すぐにとは言わないまでも、いずれは自分の身の上に見舞うことを考える者とてありません。』
- 『われわれの西隣の国の最近の哲学は、人間はどんなに好き勝手に振舞っても、常にまたその本性に帰る、すべての国民もまた同様である、ということを証拠立てている。本性が人間の性質や処世術を決するのであるから、どうしてそうならずにいられよう。』
- 『若い時は、興味が散漫なため忘れっぽく、年をとると、興味の欠乏のため忘れっぽい。』
- 『多数というものよりしゃくにさわるものはない。なぜなら、多数を構成しているものは、少数の有力な先進者のほかには、大勢順応のならず者と、同化される弱者と、自分の欲することさえ全然わからないでくっついて来る大衆とであるから。』
- 『なぜ私は結局最も好んで自然と交わるかというに、自然は正しく、誤りは専ら私の方にあるからである。これに反し、人間と交渉すると、彼らが誤り、私が誤り、更に彼らが誤るというふうに続いていって、決着するところがない。これにひきかえ、自然に順応することができれば、事はすべておのずからにしてなるのである。』