第138回天皇賞・秋

  • 東京11R 芝2000m G1

ものすごいレースでしたね。99年の有馬記念グラスワンダースペシャルウィーク)以来の名勝負だったと思います。
ダイワスカーレットとウォッカの対決は大体ダイワスカーレットが平均ペースで逃げて、最後33秒台でまとめて、ウォッカが差し切れないパターンが多かったですが、ダイワスカーレットが前半58秒7という思いのほか速いペースで引っ張ってくれたため、ウォッカに流れが向いた感じでした。
しかもスペシャルウィークのレコードを更新した1分57秒2というタイムも凄いです。というのも府中の2000mはあまりレコードが更新されにくいコースですからね。

それにしてもウォッカはすごいです。
ヴィクトリアマイル毎日王冠のようにスローになると取りこぼしがありますけど、厳しい流れだと強いですね。
牝馬で日本競馬史上初の牡馬混合G13勝という記録もすごいですが、マイル、中距離(2000m)、クラシックディスタンス(2400m)と全て根幹距離(しかも異なる距離)というのがもっとすごいです。牡馬でもマイルG1とクラシックディスタンスのG1の両方を制覇した馬はなかなかいないですからね。そう考えると、勝ちパターン、戦績ともに牝馬という枠を超えていますね。

今までダイワスカーレットはなんだかんだ言って勝ってはいるけど、ハイペースになったら脆いのではないかと思っていましたけど、今回のレースでその認識を改めて、本当に強いなと思いました。負けたとはいえ安藤騎手の積極的な騎乗で(若干かかりぎみだったかもしれませんが)この馬のポテンシャルがさらに引き出された感じです。
直線で交わされた時には3着もないなと感じましたが、そこから2の脚を使って、最後の最後まで追い詰めていましたから、凄い底力です。今後は平均ペースで逃げた場合は相当なことがない限り負けないですね。

今年のダービー馬のディープスカイもよく健闘したと思います。いつもよりも前方のポジションの競馬でしたが、最後も伸びていましたし。4着のカンパニーと5着のエアシェイディもベストの競馬ができたと思います。1,2着馬とはそんなに離されていませんから。相手が悪かったとしか言いようがないです。先行脚質が板についたカンパニーでしたが、最後方待機で届かないと思いましたが、横山典弘騎手がうまく内をついて伸びてきましたね。大外をぶん回していたら掲示板に載らなかったでしょうね。

上位3頭は2000m(特にウォッカとデーィプスカイは府中2000m)がベスト条件だと思いますけど、次走のジャパンカップは今回の反動がなければ絶対能力差でカバーできそうな気もします。特にウォッカは最近厳しい流れを先行する競馬で実績を残していますが、スローになったときに差し損ねがないかが心配ですね。

本当にすばらしいレースでした。生で観戦できた人はうらやましいです。