アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

僕はいかにも自分が主人公であるような気分で生きているけれど、よく考えてみれば、他人の人生の中では脇役に過ぎない。そんなことに、今さらながら気がついた。
河崎たちの物語に、僕は途中プレビュー参加しているのかもしれない。

本屋襲来と2年前の出来事が交互に展開しきますが、最初本屋襲来がうまくいくのかドキドキするのですが、あっさり達成されて肩すかしをくらいました。しかし少しずつ過去と現在の関連性が結びついて、事件の真相がわかるという展開はさすがです。

(今回はオチは書きません)テーマが重いので読後はスカッとした気持ちになりませんでした(どちらかといえばもやもやした気持ちかな)。登場人物のとった行動すべてに共感はできませんでしたが、それでもとにかく切なかったです。

映画版もおすすめです。私は映画を最初に見ましたが、よかったです。小説とは話の順序が若干違うこととちょっとした伏線が端折られているという違いがありますが、原作のエッセンスは十分に表現できていたと思いますし、俳優陣の演技もよかったので、原作好きの人でも原作を読んでいない人でも楽しめると思います。ただシリアスな要素もありますので合わない人には駄目かもしれません。