農業

日本の食料自給率が低いのは有名ですが、子供のころから「自給率が低いのになぜ農業をする人が増えないのか」疑問に思っていました。実家が兼業農家(といってもたいした収穫高もありませんが)でしたので、農家が大変だということはわかります。単純に仕事が辛いというのもありますが、それ以上に収入が天候に左右されて不安定なことが多いに不安なことだと思います。
個人経営でやっていくにはノウハウなどの蓄積が大変で、かつ収穫高にも限界がありますから、もし今回の不景気で農業を始める人が多少増えても従来の形態の農家では食料自給率が目に見える形で改善するとは思えないのです。


以前テレビの某番組で「農業の株式会社の参入」について議論されていましたが、食料の生産性を高め自給率を高めようと考えた場合、考え得る選択肢だと思います。
企業の場合だと作物の変更が比較的容易にシフトできますでしょうし、サラリーマン農家ですと、多少の気候不順があっても安定した収入を得ることができるのではないかと思うからです。それから「和民」のように最終販路も兼ね備えている企業だと作物が余る心配も最小限にすむと思います。


ただし一番ネックになるのが農地の問題みたいです。特に農地解放で小作から農家になった方から現在使われていない土地を買収するのも大変ですが、それに加えて不在農地の問題も大きいようです。農地問題については以下の記事を参照してください。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090216ddm001040054000c.html
簡単にいうと共有名義で相続したがために2代、3代と受け継がれ、土地所有者を把握するのが困難になっている問題、といったところでしょうか。3代目ともなるともなると自分の知らない土地という場合もありえますから所有人としてどうかと思います。
不在農地に限らないことだと思いますが、今の農地法は戦後に改正されたもので、現状に即していないので政府は農業を活性化させたいと思うならばメスを入れるべきだと思います。


それから減反政策も疑問に思います。米の消費量は年々減っていますから、減反しなければ米が余るという理屈は通るかもしれませんが、余剰したならば輸出してもいいように思うのです。日本人ですから日本以外の人がどう思うかわかりませんが、決して外国の人にとっても受け付けられないとは思いませんし、もしも受け付けなければ品種改良なり手だてはあると思います。米作りに関してはノウハウが豊富にあるですし、稲作に適した土地がたくさんあるはずですから、素人からの視点ですがそれを活かさないのはもったいないと思うのです。
それから米の消費量が減ったのは主食が小麦(パン、麺類)にシフトしたのが大きいと思いますが、その小麦はほとんど自給できずに輸入に頼っているという大きな問題があります。減反の際に野菜だけでなく、自給率が低い小麦やとうもろこしなどに転作するように仕向けるのが筋だと思いますが、地方では農地としてではなく、名目上の牧草地になっているところが(ぱっと見)多いように思いますから、問題がある政策としか思えないのです。