- 作者: 芥川龍之介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/07/10
- メディア: 文庫
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芥川龍之介の箴言集です。
小説は以前学校で「蜘蛛の糸」を読んだことがあるくらいで、それ以外の作品は全く読んだことがありませんでした。タイトルと序文に惹かれて購入しました。
芸術や政治などについて皮肉めいた口調で語られていて、面白かったです。軍隊に対する批評もあり、さすがに戦時は削除されたほどだったようで。
面白かったものをいくつか引用します。
寧ろ政治的天才とは彼自身の意思を民衆の意思とするもののことを云うのである。少なくとも民衆の意思であるかのように信ぜしめるものを云うのである。
民衆の愚を発見するのは必ずしも誇るに足ることではない。が、我我自身も亦民衆であることを発見するのは兎も角も誇るに足ることである。
最も賢い処世術は社会的因襲を軽蔑しながら、しかも社会的因襲と矛盾せぬ生活をすることである。