第156回 天皇賞・秋

  • 東京11R G1 芝2000m

 

先週の菊花賞に続き、不良馬場で行われたレースでしたが、最後キタサンブラックサトノクラウンとの叩き合いを制して、G1 6勝目を収めました。

 

レースは後で見たのですが、出遅れて後方からのスタートという自分の形でもないのに勝てたのはキタサンブラックの実力だけでなく、武豊騎手の手綱さばきに依る点も大きいと思います。

普通の騎手なら出遅れた時点で焦って先段に取り付けて、無駄に脚を使わせてしまうのですが、腹を括って後方内側を追走したのは、馬の実力を信じてないとできないと思います。普通の馬ならスタートに失敗した時点で最後方になるもんですが、それでも最後方にならない時点でキタサンブラックの出足が安定していいんだなあと感じました。
そして残り1000mあたりから加速を始め、3コーナーの大欅を過ぎたところでは先段に取り付いていて驚きました。馬場特性の優位性はあるにしても、距離ロスを嫌って内から進出した武豊騎手の判断が素晴らしかったですね。
そして直線入口で先頭に立ち、サトノクラウンの追撃を凌ぎ切りました。

この二頭が3着レインボーラインに2馬身半差、4着リアルスティールにさらに5馬身差をつけましたが、馬場特性の得手不得手もあるとはいえ、実力差があるように感じました。


サトノクラウンはそつのないレース運びでした。この馬は1着or掲示板外と不安定さが目立ちましたが、本格化した感じかも。
3着レインボーラインは馬場特性がずばりハマった感じです。
リアルスティールは不良馬場は歓迎とはいえなくても、力のあるところは見せてくれたと思います。
6着のソウルスターリングは3歳牝馬にはタフなコンディションでしたが、父フランケルは重馬場を不得意にしないと思われる点、斤量差を考慮すると古馬の一線級と力勝負で勝つほどの実力はないかなと感じました。内側のグリーンベルトの恩恵など展開利がないとチャンスがないかもしれません。

 

とはいえ、このレースの上位馬は結構ダメージが残ったと思います。ゴール前で若干余力があるようにも見えたキタサンブラックよりも2着以下の馬のダメージが大きく見えます。

二週連続で不良馬場のG1となったわけですが、力勝負の見応えのあるレースでした。日本の馬場は高速すぎて個人的には好みではないのですが。他国と特性がズレまくってて海外で通用しなかったり、故障のリスクが大きいなどの問題があるわけですし。それは置いておいても高速馬場でも極悪不良馬場でも強い競馬ができる馬は相当なポテンシャルを持っていると思います。古い例になりますが、タイキシャトルエルコンドルパサーに通ずるものがあると思います。

 

(updated on 7/Nov/2017