金足農業

最近の高校野球は、有名中学生をスカウトしてきた常連私立高校ばかりで全く興味がありませんでした。有名私立高校が県外から選手を集めてくる流れには抗えないので、そういう学校で生き残った選手が次のステージに進むためのシステムだと割り切って見ています。

そういう中で秋田代表の金足農業の健闘振りにワクワクしています。公立校で県内の生徒だけで構成されているのに、ベスト4まで進出するのはすごいことです。
吉田投手中心のチームに見えますが、ほかの選手も彼を中心にまとまっていて、応援したくなるチームです。
吉田投手は本格派の右腕で150km近いストレートを投げますが、ただ速いだけでなく、伸びがあり、変化球もうまく織り交ぜていて、見ていて楽しいです。

ベスト16の横浜戦は凄い試合でした。最初2点先制された時には厳しいと思いましたが、吉田選手がホームランで同点に追いついた時に「オッ」と思い、それでも4-2になった時に負けたと思いました。ただ8回裏に逆転3ランホームランを打つとは思いませんでした。しかも最終回は3者連続三振で締めて、後半にギアを上げる様は圧巻でした。しかも自己最速タイの150kmを出していましたし。

そして準決勝では、連投のためか吉田選手の切れはそれほどではありませんでしたが、それでも2失点に抑えていて、ピンチも何度も凌いでいました。9回裏の時点で2-1でしたが、相手投手を攻略できていなかったため、この試合でも負けるかなと思っていました。その予想に反して、ノーアウト満塁のチャンスを作り、スクイズは予想できました。しかし、サードがファーストに送球した際に2塁走者が3塁を回った時には目を疑いました。まさかの2ランスクイズで逆転のサヨナラ勝ちを収め、絶叫してしまいました。しかもそれが監督の指示ではなく、選手の判断だというのですから、どんだけ冷静なんだよと思いました。
個々の能力では劣る点はありますが、冷静な判断力と個々ができることを着実に発揮できる点は練習の賜物だと思いますし、強いチームでないとできないと思います。だからこそ秋田県民や農業関係者でなくても、応援したくなります。彼らの試合ぶりには驚かされるばかりです。

とはいえ、準々決勝の戦い振りをみると、大阪桐蔭の実力が抜きん出ていると思います。他校ならばエース級の選手が複数揃えているみたいですから。その上データ班も充実しているとなれば、手が付けられない感じです。