医療崩壊?

最近は例の件について触れないようにしていますが、マスコミや医師会がやたらと言っている「医療崩壊」について思うところがあります。

例の感染症に対して、保健所や医療現場が逼迫しているのは、年齢に関係なく致死率10%の結核と同じ二類感染症に指定し続けていることにつきます。
重症者の統計などを見るに、長年の喫煙や肥満とそれに起因する基礎疾患など一部の条件を満たす高齢者を除いては重症化リスクが低いと考えられ、結核エボラ出血熱と同じ対応していれば、病床が尽きることは容易に想像できます。

指定を外すと誰が困るかといえば、濃厚接触者を追う必要が無くなることが新型コロナ研究に不都合な感染症学者の集まりである感染症学会と、指定を外すと季節性インフルエンザ同様、新型コロナ患者を受け入れざるを得なくなるのが嫌な開業医の集まりである医師会です。彼らの猛反対で指定見直しの議論すら行われていないのが実態だと考えています。

そもそも日本には世界で最も多い160万の病床があるようです。しかし、そのうち新型コロナウイルスに対応できる病床数はわずか3万、つまり2%に過ぎなかったようです。他の国々は日本の100倍の感染者数を抱えながらも医療崩壊を起こしていません。

つまり二類感染症を受け入れている大病院は昼夜どんでもないプレッシャーに苛まれながら、激務をこなしている一方で、大多数の中小病院には患者がほとんどいないと二極化の状態になっています。実際昨年の秋内科に行った時はガラガラで、スタッフの給料も減るんだろうなと感じたものです。

SARSと違って一過性のものでない、かつ弱毒性とわかった時点で、感染増加が容易に想像できる冬が来る前に何らかの対策を打つべきだったと思います。例えば二類感染症を外した場合、どのような対応が可能か検討するなど。
それもせずに現状の医療体制で受け入れるには端的に感染者の増加を抑えるしかありません。つまり単純に人の動きを止めるしかありません(経済との両立は困難です)。

例の感染症を軽視してよい、とは思いませんが、科学的なエビデンスに基づいて、生活の影響を最小限に抑える範囲で正しく恐れて、適切な対処をすることを望みます。
率直に言って自分でできることを一年近く検討すらしないで、一般庶民や政治家に高圧的な態度で文句を言うだけの医師会の言葉に耳を傾ける価値はないと思います。