ゴッホの手紙

小林秀雄氏が展覧会で見たゴッホの複製画に衝撃を受けて書かれた「ゴッホの手紙」他6遍が収録されています。表題の「ゴッホの手紙」には、手紙の引用がベースになって彼の生涯が描かれています。今回は引用なしの、感想になります。

事前知識として、悲しい結末を知っていたこともあり、後半は一気に読んでしまいました。魂が揺さぶれると書くと極端すぎる感じもしますが、悲しさ以上の感情の昂りがありました。本を読んで、こんな気持ちになったのは久しぶりな気がします。
ゴッホの絵画が著者の魂を揺さぶり、それを受けて書かれた本書にも著者の強い思いが宿ったような気がします。
ふと自分自身が彼の作品に触れた(残念ながら最近そのような機会がありませんが)ときのことを思い出すと、たしかに一言で言い表せないような凄みを感じた気がします。決して読みやすい文章ではありませんが、ゴッホの絵を展覧会で見たことがあり、彼の絵に興味を持った人なら読んでみて良いと思います。