陸王

先日池井戸潤さんの「7つの会議」を読みましたが、同じ集英社発行の「陸王」を読みました。こちらもドラマ化された作品ですが、文庫本で700ページほどの大容量でなかなか手が出ませんでしたが、時間があるこのタイミングに読み切りました。
老舗の足袋屋さんが新規事業(ランニングシューズ)の立ち上げに挑む話です。ザックリいうと主人公サイドが逆境におかれていて、そこから快進撃を進める展開のため、読後はすっきりします。また続きが気になるような展開なので、こちらもサクサク読み進めることができました。またロードレースのシーンもなかなか面白かったです。

主人公サイドの人物は何かと熱いところがあり、共感しながら楽しく読むことができました。最後、フェリックスとの業務提携を相談する会議で、あけみさんの"ジリ貧で仲間が徐々にいなくなる中で続けるのは老舗ののれんを守ることにはならない、借金してもそれを取り返すつもりでかんばろう"といった掛け声で会社全員が一致団結するところが一番熱かったです。
ライバル会社のアトランティスが小物過ぎるのが残念でしたが、そういう会社が最後痛い目に遭うのも爽快です。本社から雇われた部長が現場を軽視したり、いろんな小さい会社をパテの様に買収して大きくなったフェリックスなどの外資企業の描写がありきたりな感じもしましたが、実際勤務してみてそのような側面はあるのは確かだと思います(描写がオーバーすぎる嫌いはあるものの)。