すし、うなぎ、てんぷら

少し前に林修先生がTVで一番書きたかった本だったが、全く売れなかったという話をしていて、そのエピソードとタイトルの語呂のよさに惹かれて図書館で借りて、読みました。というのも絶版になったのか、本屋さんで入荷しているところが(ぱっと見)なかったためです。
ちなみに私が予約した際、貸し出し中だったことから、密かに人気があるのかなと思いました。


それぞれの料理に関し、林先生の目に適ったお店の店主に取材し、彼らの仕事観や料理に対する考えが綴られています。
個人的には、すし、うなぎ、てんぷらの3つは正直苦手な料理です。というのは(この本でも触れられているのですが)近頃これらはスーパーなどで手軽に手に入るものの、そういうところで食べたものがまずかったり、臭みが気になったり、値段も決して安くはないことから敬遠するようになったからです。本格的なお店で食べると美味しいと思うのですが、とはいえ年に何回も食べられるものではなく、親しみやすい話題ではないのですが、冒頭にあげたエピソードが引っかかり、読んでみました。

職人さんの取材に対する雑観を挙げます。

  • この3つの料理に関しては、水産資源の枯渇が避けられない問題となっていて、これからもっと希少になるような気がしました。これらを食べる機会があれば、大事に噛みしめるべきだなと思いました。
  • どの料理も調理が非常に大変で、個人的には家庭で手軽に作るものではないなと感じました。
  • 鰻の田舎庵の店主が「鰻屋は、材料由来が7割で、あとの3割が我々の仕事なんです」と話されていましたが、いい素材を見つけるのも、いい料理人の素質だと思いました。いい素材を探す手間を考えても、名店でいただくのがいい気がしました。
  • 本書で取り上げられお店の職人さんたちは、お客と対面して真剣勝負していることが伝わりました。自分もそのようなお店に行く際は、生半可な気持ちで行かないように心がけたいです(気張りすぎると疲れるので、難しいところなんですが、職人さんに向き合う気持ちと礼儀はわきまえたいと思いました)

基本的には職人さんに取材した内容に沿って進むのですが、時折林先生のコメントは入っていて、いい味を出していて、その辺りの話の持っていき方は上手だなと感心しました。


妻も冒頭に挙げた番組を一緒に見ていて、彼女もそのエピソードが印象に残っていたため、読んでもらったのですが、彼女的にはピンとくる内容ではなかったようです。