Turning Point: 9/11 and the War on Terror

ターニング・ポイント: 9・11と対テロ戦争 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

NETFLIXで公開された9.11からUSのアフガンの対テロ戦争を追ったドキュメンタリー番組です。
番組の導入部分で、80年代のソヴィエトのアフガン侵攻のことから描かれています。この一連のいわゆるテロとそれに対するUS側の反撃の中で、9.11の被害者を含めて多くの人々が犠牲になったことを改めて目の当たりにしました。最終的にはUS軍も疲弊し、撤退し、タリバンの体制に戻ったわけですが、この20年間は何だったんだろうなと率直に思いました。

USの主要メディア寄りのNETFLIXが制作した番組にも関わらず、米軍のアフガン撤退から間を置かずに公開されたことから、アフガン撤退は既定路線であることを知っていて、番組の方向性は結構前から決まっていたのかな、とさえ感じました。


9.11のテロに対する反撃というのは大義名分として文句の付けようがなかったものの、その後に出た以下のような動きはアフガンのテロ組織を倒す、という目的から外れているように見え、アフガンに駐留したUS軍を弱体化させるだけにしか映りませんでした。

特にイラクへの派兵は愚策だったなと思います。太平洋戦争の日本軍が各地に戦局を拡大し、その後撤退する姿に被って見えました。そして、タリバンが勢力を回復し、IEDに怯えるアメリカ軍の姿はベトナム戦争に負けた姿に被って見えました。
予算の無駄遣い、という意味ではアメリカが長年反タリバンの指導者として擁護したカルザイ大統領の存在も見逃せないと思います。この番組で「腐敗した政治家」とバッサリ切り捨てていたことから、相当私欲を肥やしたのかなと思いました。

その中でトランプが出てきて「アフガン侵攻は馬鹿げている、すぐに撤退すべきだ」というメッセージを発したわけですが、当時はトンチンカンなことを言うなという論調がメジャーだったと思います。この流れで見ると、案外まともなことを言っていたのではないかと感じました。