The Imitation Game

Dr.Strangeでお馴染みのベネディクト・カンバーバッチさんの作品をNetFlixで探したところ、本作がヒットし、視聴しました。
第二次世界大戦時のドイツの暗号エニグマを解読した数学者(アラン・チューニング)を描いた作品という知識だけで見ました。非常に素晴らしい作品で、画面に見入ってしまいました。こんなに見入った作品は久しぶりな気がします。
こんな面白くて、結構好きなテーマ(戦争もの、科学者)なのに公開当初見なかった自分を残念に思いました。ですが、今じっくり鑑賞できて本当に良かったです。


ストーリーとしては、主人公の戦後(死の直前のある事件がきっかけ逮捕、尋問される場面)、戦中の暗号解読に取り組んだ時代、幼少期の出来事が並列に進行します。暗号解読がメインテーマだと思っていたので、戦後の事件からスタートしたので少し肩透かしを食らった気分でしたが、後から彼の性癖も重要なテーマなんだなと後々理解しました。この場面で後に自殺した際に使ったと言われる青酸も出ています。

戦中というテーマもそうですが、彼の特殊なパーソナリティ(同性愛者、アスペルガー症候群の傾向)に焦点が当てられたため、暗い作品です。そんな彼をカンバーバッチさんが熱演していて、彼を中心とした俳優さんの演技に見入ってしまいました。暗号解読チームの同僚たちや、戦後尋問した刑事、MI6の長官みんな、味のある演技をされていたと思います。また音楽も場面とマッチしていて素晴らしかったと思います。

主人公は気難しい人物でしばらく暗号解読チームとの折り合いが悪かったようですが、徐々に理解しあい、初めて暗号を解読した場面は一番スカッとした場面でした。とはいえここが映画のクライマックスではなく、あくまで主人公の経歴を描いた一場面に過ぎず、アラン・チューニング自体を描くことがテーマなんだと感じました。

作中で何度かこちらの印象的なキーワードが出てきますが、脚本もよく練られていたと思います。

誰も予想しなかった人物が誰も想像しなかった偉業を成し遂げる事だってある


最後に余談です。1つ目は戦争終結に貢献したにも関わらず、戦後長い間主人公を始めとしたチームの業績が口外できず(戦後尋問した刑事が震え上がったほど)、気の毒だったということ。
もう1つはMI6の長官がソ連の2重スパイがいることを認識しながらも、わざと泳がせていたことです。諜報界はしたたかで、怖いなと感じました。