競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで (中公新書)
- 作者: 本村凌二
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/08/18
- メディア: 新書
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海外競馬通だと思われる本村さんによる新書です。海外競馬好きとしてはタイトルと目次をサクッと眺めて、買ってしまいました。
ヨーロッパから始まった平地競馬の歴史が書かれています。血統や20世紀以降名馬については知っていることが多かったため、個人的に目新しい内容は少なかったですが、イギリス貴族によるジョッキークラブの成立やハンデキャップ競争の創立などは初めて知る内容でした。
前書きで、著者が生観戦した大レースのことが書かれてましたが、当時の興奮が伝わりました。こういうスポーツの記録は結果を淡々と書くのではなく、感情がこめられたほうが楽しく読めるなと感じました。特にダンシングブレーヴの凱旋門賞を生観戦されたことは非常に羨ましかったです。
今の競馬を楽しめるのは、当時の英国貴族や日本の安田伊左衛門氏や有馬頼寧氏などインフラを整備された方々の努力によるところが非常に大きいなと感じました。
名馬に関しても、18世紀後半に登場したマッチェム(ゴドルフィンアラビアン系)、ヘドロ(バイアリーターク系)、エクリプス(ダーレーアラビアン系)以降は知っている名前が出てきますので、浅くなぞるには十分かなと思います。