もしも高校野球の女子マネージャーがドラッガーのマネジメントを読んだら

今更ながら、いわゆる「もしドラ」を読みました。
単行本が大いに売れた当時は、会社の部長がこの本を押していて、距離をおいていたからです。

物語としては楽しく読むことができ、スイスイ読破できました。
ところどころ話の展開が雑なところがあり、粗が目につきますが、それよりも作者の熱意が強く、物語に引き込まれた感じです。所々ドラッガーの名言がアクセントとなり、読み物としてはよく出来ていたと思います。

以下の流れに沿って話が展開されています。

「マネジメント」との出会い→組織の定義づけ→顧客とは→顧客ニーズ把握のためのマーケティング→マネジメントの役割(生産的な仕事を通じて働く人たちに成果をあげさせること)→イノベーションの戦略→マネジメントの社会貢献

特にマネジメントの正統性の考え方はマネージャー自身や顧客視点でなく、労働者の視点で説明されており、興味深く読みました。

そのような正統性の根拠は一つしかない。すなわち、人の強みを生産的なものにすることである。これが組織の目的である。したがって、マネジメントの権限の基盤となる正統性である。組織とは、個としての人間一人ひとりに対して、また社会を構成する一人ひとりの人間に対して、何らかの貢献を行わせ、自己実現させるための手段である。

本作を読んだ時は寓話的で現実的にありえないよと思っていました。しかしながら今年の金足農業の快進撃のほうが、もっと劇的でフィクションを越えることがあるんだなと半ば呆然としたものです