嫌われる勇気

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

2年くらい前に売れた本ですが、今更読みました。

結論から言うと、なかなか面白く、勉強になることが多かったです。

読んで感じたのは、対人関係のトラブルに対して必要以上に介入せずに切り捨てる点や、共同体感覚が目に見える範囲だけではなく、直接見えない相手や地球規模で考える点など伝統的な日本人の考え方に相容れない点が多いように感じましたが、自分にはすっと入ってきました。共感できるというか、目指したい生き方を上手く文章に落とし込んでいたように感じまして。

 

以下のような内容が記載されているのですが、それは一年くらい上司から言われていたことでした。

相手からの評価に怯えるのではなく、自分が何がしたいのか、何をすれば所属する共同体に対し貢献できるのかを考えて行動すること。

また年齢が年上でも対等な立場の人間に対して堂々と主張すること。

しかし最初は自分の中で咀嚼できずに、どう振る舞うべきか悩む時期もありました。ただこの本を読んで、上司が伝えたかったことが何となくわかったような気もしました。そういう意味でもいまこの本に出会えたことに感謝します。

とはいえ、例えば上司が敷いてくれたレールに従うのに満足するような人(日本の会社に多いタイプだと思います)や、他人に誉められたい欲が強すぎる人には拒絶反応を示すかもしれません。

 

またこの本のキーポイントは以下の文に集約されていると思います。

自己への執着を他者への関心に切り替え、共同体感覚を持てるようになること。そこで必要になるのが、「自己受容」と「他者信頼」、そして「他者貢献」の3つになります。

余談ですが、この文章を読んだ時に漫画「プラネテス」で主人公が崖から落ちて、ふと共同体感覚に目覚めた時のように、腑に落ちた感覚でした。

原作者の幸村誠さんは15年以上のタイミングでアドラーを知っていたのかなと思った程でした。