新降着ルールについて

今年から運用されている新降着制度には、もやもやした気持ちを持っていました。
少し前に本件に関して共感できるコラムを見つけましたので、思っていることを書きたいと思います。
 
そもそも新降着制度が発表されたとき、降着となるケースとならないケースの違いがわかりませんでした。
半年ほど運用を見てわかったのは、原則降着はない、ということです。
AJCCのベリー騎手、安田記念の岩田騎手は悪質な斜行、走行妨害をしているようにも見えたのにも関わらず、主催者側では審議と判定せず、到着順位のとおりに確定しました。
 
たしかに審議官の主観によるブレが排除され、馬券の確定がスムーズに行われる、というメリットもあるかもしれません。
 
しかし、「やったもの勝ちになり、かつ加害者側にペナルティもない」というのは非常にまずいと考えています。
例えば、安田記念のケースでは、たった10万円の過怠金でした。この程度の罰則で済むのです。到着順位を変えないにしても、騎手を含めたスタッフ側にもそれなりの対価を支払うことも検討しなければ、状況が悪化するかもしれませんし、ファン離れにつながる危険性もあります。
 
実際、安田記念ではウイニングランの際の歓声がほとんどありませんでしたから(テレビで見てもわかるくらいでした)。レース前はメンバーが揃ったため見に行きたいなと思っていましたが、行かなくて良かったです(別の用事ができたので、行けなくなったというのが実情ですが…)。
 
それに比べて日本ダービーのキズナの勝利は清々しくて、競馬場の盛り上がりも凄かったです(最盛期の雰囲気を感じました)。
武豊騎手は最近は追えなくなった(身体の衰えは仕方がないと思います)とはいえ、的確なペース判断と、レース運びのうまさはさすがです。それから馬を真っ直ぐに走らせる点も凄いなと改めて思いました(最近の外人騎手などを見てると、技術が高くないなと思えるので、尚更です)。
 
真っ直ぐに走るように御すことができなければ、相手の騎手も怖くて近づけないと思います。
 
JRAには公正なレースを実施するという観点で人間側に責任を求める、という方向で考え直していただきたいものです。