第168回 天皇賞・秋

  • 東京11R 芝2000m G1

1番人気のイクイノックスが圧倒的な競馬でG1 5連勝を収めました。
今年の大阪杯勝ち馬のジャックドールが逃げました。しかも前半57.7というハイペースでした。その後ろをガイアホースが追走し、その後ろを圧倒的1番人気のイクイノックスが追走していました。ドバイシーマクラシックの時は逃げましたが、好位を追走した時点でイクイノックスは崩れないなと思いました(とはいえ前半のペースを見たときは最後まで持つのか少し不安になりましたが、杞憂でした)。その直後でドウデュ―スがイクイノックスをマークするように進めていました。道中力んで走っているように見えました。他の有力馬は(ダノンベルーガジャスティンパレス、プログノーシス)は後方待機でした。

直線に入り、ガイアフォースが先頭に立ちました。ジャックドールは自身にとってハイペースだったことに加えて、道中ガイアフォールのプレシャーがしつこく、直線では余力が残っていませんでした。
そしてイクイノックスは持ったままの手応えで先頭にならびかけ、ルメール騎手が残り300mほどで追い出すと一気に抜け出しました。その後も脚色が衰えることなく、最後は流したようにも見えました。
最後後方待機組(ダノンベルーガジャスティンパレス、プログノーシス)が追い込んできたものの、2馬身半差で勝ちました。
横綱相撲のレース内容はさることながら、一番衝撃的だったのは、1.55.2というタイムです。1分55秒台というタイムは見たことがありませんでしたし、従来のトーセンジョーダンのレポートを1秒近く短縮した驚異的なタイムです。しかも最後余力があったことを考えると(次走以降のことを考えると余力を残すことはむしろ当然)、もっと速いタイムを叩き出せたと考えると恐ろしくなります。もちろん馬場造園課の力によるところも大きいでしょうが。。
ルメール騎手がイクイノックスのことをPerfectと表現していましたが、本当にその通りだと思います。先行出来て、その上直線も最速の上りを繰り出されたら他の馬は勝負になりません。むしろ恐ろしいものをみてしまったなと思ったほどでした。昨年のパンサラッサを最後捕まえたレースぶりもすごかったですが、今年の方がさらに完成されたレースで、何回やっても結果は変わらないなと思ったほどです。
この日は今上天皇行幸される天覧競馬でしたが、それにふさわしいレースだったと思います。レース後のルメール騎手の敬礼も素敵でした。

最後方待機組だとジャスティンパレスの好走が意外でした。成績表を見たらステイヤーのように見えますが、中距離でもかなり上位の実力の持ち主のようです。展開が向いたのは確かですが、それでも3着以下に1馬身以上の差をつけていますが、この馬自身の自力も素晴らしいと思いました。
同じく展開が向いた3,4着馬よりも5着のガイアフォースの方が底力があるなと思いました。積極的なレース運びでしたし、先行勢は軒並み撃沈でした中でこの馬だけは掲示板を確保して立派でした。

7着に沈んだドウデュ―スですが、積極的なレースでイクイノックスに挑んだのは立派だと思います。しかも鞍上が当日乗り替わりというアクシデントがあった中、代打の戸崎機種はよく頑張ったと思います。

(updated on 31/Oct/2023)