第166回 天皇賞・秋

  • 東京11R 芝2000m G1

かなり面白いレースでした。凱旋門賞に出走したタイトルホルダーやドウドュースは参戦しなかったものの、3歳&古馬の一戦級は大体集まったメンバーでした。

2番人気のジャックドールが好スタートを切ったものの、今年のドバイターフを買ったパンサラッサがいつも通り逃げました。2コーナーに入るまで他馬に絡まれそうになったものの、その後はリードをぐんぐん広げました。1000mを57.4秒で通過した際は、サイレンススズカ並みのペースで度肝を抜かれました。が同時に直線で刺されるだろうなと思いました。
しかしながら4コーナーを回って、残り400mを切っても10馬身ほどの差があったときはもしやと思いました。残り200mでも十分なリードがありましたが、残り50mを切ったほどのところで外から伸びてきた3歳馬のイクイノックスが差し切りました。

外から差してきたイクイノックスは強かったです。毎度強烈な差しを決めるものの、クラシックでは2戦とも2着でしたが、今日は勝ち切れましたね。ルメール騎手の渾身の騎乗だったと思います。
3着のダノンベルーガも3歳でよく頑張ったと思いますが、イクイノックスとの勝負づけがついた印象はあります。今日参戦しなかったアスクビクターモアもですが、今年のクラシック上位組が順調に秋を越した馬が多く、これからの楽しみという意味でよかったです。イクイノックスは脚元が強くない、という話も聞きますが大事にするのが前提ですが、できるだけ多くのレースを走って欲しいものです。

個人的に今日のレースを盛り上げたのは2着のパンサラッサだと思います。府中であのペースで逃げて、かつ残り400mでも大差をつけて、最後まで粘った馬は滅多にいませんから、本当に惜しかったと思います。管理する矢作先生の「57秒台で行って59秒台で上がれば勝てると考えていました。」というコメントからただの暴走ではなく、計算済みだったので恐れ入ります。また「香港カップに向かう予定です。勝ちにいきます」というコメントも力強く、次走も応援したいです。

4着のジャックドールは先行して安定して上位に入れるようになったものの、工夫又は相手のトラブルがないと1,2着との逆転は難しい印象を受けました。