新釈 走れメロス

最近は子供が夜ぐっすり寝るようになったり、出社回数を増やして電車に乗る機会が増えたりして、読書の時間が増えてきました。落ち着いて読書するのは刺激になったり、リラックスでき、いいことだなと感じてます。久しぶりに本のレビューです。

森見登美彦氏が表題作の太宰治氏の「走れメロス」などをベースにしたオマージュです。いずれも京都の阿呆学生を主人公にした森見節全開の作品ばかりで、氏の作品が好きな方なら楽しめると思います。私は素直に楽しめました。
短編5作が収録されていて、それぞれ原作は異なる作者なのですが、筆者は同じ世界線で描き、登場人物が微妙にクロスされています。あとがきでも書かれていますが、筆者が全体の構成を考えた上で選び抜かれたんだなと思いました。
個人的には勢いのある「山月記」や「走れメロス」が好きでした。難しいことを考えずに、息抜きに楽しめました。