動物がくれる力

教育や医療などの現場などで活躍する犬や猫と人間との交流に関するエピソードが多数紹介されています。うちにはワンちゃんがいますが、それもあり気になって購入しましたが、良かったです。
どれも心温まるエピソードで犬や猫たちがいとおしく感じました。果ては司法や少年院などのエピソードも紹介されていますが、いずれも人間側から犬たちを大事にしたいという思いが自発的に生まれて、すごいなと思いました。

いずれも定量的な分析がなされていないため、一般化するのが難しいのでしょうが、犬や猫とのふれあいで人間にとって何かしらプラスの効果をもたらすケースが多いのは確かだと思います。例えば、刑務所で育てられたある盲導犬ユーザーの声を紹介します。

「この子を育ててくれた人たちに、いま、私と歩いている姿をあげられないのが何より残念です」


以下は自分にとっての備忘録として引用したい個所になります。

動物介在教育とは、「参加者の動物への興味と関心を引き出すことによって、他者とのこころの窓を開放することで、他者の存在を認識し、他者との関係性を向上させようとすることを目的としています。

筆者が考える子供と動物とのかかわりが大切だと考える3つの理由は、
・自分とは異なる生き物である動物の行動を理解しようとすることで、他者への共感力やコミュニケーション能力を磨くことができる。
・動物をケアすることをとおして、自分より弱いものを思いやる心を育むことができる。
・好きな動物の存在を動機づけとして、苦手だったこと、関心がなかったことにも前向きに取り組むきっかけが得られる。

人も動物も、問題が起きてから対処するのではなく、問題が大きくなる前にそれを予防する、つまり、できるだけ早い段階で問題を発見して支援につなげ、孤立を防ぐ取り組みが必要だと考えるようになったのです。(略)
人が社会で生き生きと暮らすためには、「居場所」と「出番」があることが大切だとよく言われます。そこにいてもいい、受け入れられているという感覚に加え、誰かのために何かできること。