マラソングランドチャンピオンシップ

都内で東京オリンピックのマラソン代表選考のためのレースが行われました。
この存在を知ったのは数日前でしたが、とてもよい試みだなと思いました。

まず日本男子のトップ選手が一堂に会したことがすごいことだと思います。また日本選手のレベルが上がったこともこの選考会の価値を高めた一因だと思います。そして何より瀬古さんが主導されたと聞いていますが、大会の運営にこぎつけた関係各位の尽力に尽きると思います。一種目の選考会のために、東京のど真ん中の交通を止めるなんて考えられないことだったと思います。

普段テレビを真剣に見ることは少ないのですが、このレースは最初からテレビに食いついてみていました。
序盤から設楽悠太選手が3分台で快調にとばしました。分3kmペースですので暴走とは思いませんでした。最大後続とは2分以上の差をつけていました。厳しいなと思いつつも、このまま逃げたら面白いなと思って見ていました。後続集団はしばらく硬直状態でしたが、徐々にばらけていきました。
しかしながら25kmを過ぎたあたりから設楽選手のペースが落ち始めました。10時を越えてから気温が高くなったのも影響したと思います。37㎞手前でとらえられ、14位に沈みました。ネットでも賛否両論あったと思いますが、個人的にはナイスチャレンジだったと思います。設楽選手がいなかったらもっと膠着していた可能性が高く、結果的にオリンピックに直結しない可能性もあったのですが、ハイペースで先導したのは価値があります。彼自身としてもアフリカ勢に勝つことを意識したペースだったと思うからです。

そして39㎞過ぎから中村匠吾選手がスパートで抜け出しました。それに対し、服部勇馬選手と大迫傑選手が必死に追走し、デッドヒートの様相を呈していて、本当にエキサイティングでした。終盤は東京マラソンとは異なり、上り坂のため、なおさら厳しいレースだったと思います。
結果的に中村選手が1位、服部選手は2位、大迫選手が3位に入りました。来年の選考レースで大迫選手が持つ日本記録が破られない限り、このレースの1-3着が来年のマラソン競技に内定した形になりました。

ただ上位選手が箱根駅伝で活躍した選手ばかり(私が名前を知っている選手ばかり)で、少し前は「箱根とマラソンは直結しない」と言われていた状況から大きく変わったなと思いました。将来有望な若手選手が、大学で着実にレベルアップしている(大学の指導もレベルアップしているような気がします)成果だと信じたいです。

気候的には8月よりもましなコンディションとはいえ、ゴール近くはマラソンに適さない条件だったと感じています。本番はもっと過酷な条件ですので、タイムよりも、とにかく一人でも多くの選手が完走して、あわよくば日本選手が上位争いをしてくれたらなと思っています。

(updated on 17/Sep/2019)